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【完全ガイド】イギリスNHSの使い方|GP登録・NI番号登録をロンドン到着後に解説

  • 執筆者の写真: Takanobu Shimanuki
    Takanobu Shimanuki
  • 2025年12月14日
  • 読了時間: 27分

更新日:2025年12月15日

🟥 ロンドンに来たら「最初に必ず知っておくべき」NHSとGPの話


ロンドンにワーキングホリデー(YMS)で来ると、到着直後からやることが一気に押し寄せます。

SIMカード、銀行口座、住居探し、仕事探し──その中で、意外と後回しにされがちなのが「医療の準備」です。


Living Hubは、ロンドンでワーホリ・留学をする日本人向けに、住居探しや初期生活の情報提供、トラブル回避のサポートを行っています。

日々多くの相談を受ける中で、「もっと早く知っておけばよかった」と言われることが多いテーマの一つが、イギリスの医療制度です。


日本にいると、病院に行くことはそこまで構えずに済みます。

具合が悪くなれば、近くのクリニックや病院に行き、受付をして診察を受ける。

この感覚のままロンドンで生活を始めると、いざ体調を崩したときに「どうすればいいか分からない」状態になりがちです。


イギリスの医療制度は、日本とは根本的に仕組みが違います。

その中心にあるのが NHS(National Health Service) と GP(General Practitioner) です。


NHSってそもそも何?


病院は自由に行っていいの?


GP登録って必須?


緊急時はどこに行けばいい?


医療費は本当に無料なの?


こうした疑問を抱えたまま生活していると、少し体調が悪くなっただけでも不安が一気に膨らみます。

逆に、仕組みを知っていれば、冷静に対処できます。


また、NHSやGPの話とセットで必ず出てくるのが、NI番号(National Insurance Number)です。

これはイギリスで生活・就労する上での基礎となる番号で、仕事だけでなく、公的サービスや医療とも深く関わっています。


「NI番号って何のためにあるの?」

「いつ登録すればいい?」

「家が決まっていなくても申請できる?」


こうした点も、渡英前後の日本人からよく聞かれる質問です。


この記事では、ロンドンに来たばかりのワーホリ・YMSの方が 最低限これだけは知っておくべき医療と登録の知識 を、できるだけ分かりやすく整理しています。


具体的には、次の内容を解説していきます。


イギリスの医療制度「NHS」とは何か


NI番号は何のために必要なのか


ロンドンでのGP登録の正しい考え方と手順


体調不良から緊急時まで、どこに行けばいいのか


NHSは、頻繁に使うものではないかもしれません。

しかし、使う必要が出た瞬間に「知っているかどうか」で安心感が大きく変わるインフラです。


これからロンドン生活を始める方も、すでに渡英している方も、

「万が一」に備える意味で、ぜひ一度しっかり目を通してみてください。




🟦 第1章|イギリスの医療制度「NHS」とは何か?


イギリスで生活する上で、必ず理解しておきたいのが NHS(National Health Service) という医療制度です。

NHSは、日本の健康保険制度とは考え方も仕組みも大きく異なります。


NHSとは、イギリス政府が運営する国民医療サービスで、基本的な医療はすべて税金によってまかなわれています。

そのため、原則として 診察・検査・治療・入院・手術まで、自己負担はありません。


この点は、ロンドンでワーホリや留学をする日本人にとって、非常に大きな安心材料になります。


YMSビザを含む中長期ビザ保持者は、ビザ申請時に Immigration Health Surcharge(IHS) を支払っています。

このIHSを支払っていることで、イギリス滞在中はNHSを利用できる権利が与えられます。


つまり、「外国人だから使えない」「高額な医療費を請求される」ということは、基本的にありません。


NHSは「無料」だが「何でもすぐ受けられる」わけではない


ここで一つ、重要なポイントがあります。

NHSは治療費が無料ですが、日本のように「行きたい病院にすぐ行ける」仕組みではありません。


NHSでは、GP(General Practitioner)=かかりつけ医が医療の入口になります。


まずはGPに相談


必要があれば検査


さらに必要であれば専門医へ紹介


状況次第で入院・手術


という流れが基本です。


この仕組みを知らずにいると、

「病院に行ったのに診てもらえなかった」

「なぜ専門医に直接行けないのか分からない」

と戸惑うことになります。


NHSは、「誰もが平等に医療を受けられる」ことを重視した制度です。

その代わり、スピードよりも公平性を優先する設計になっています。


NHSでカバーされる医療内容


NHSがカバーする主な医療内容は、以下の通りです。


GPによる診察


血液検査・画像検査などの各種検査


専門医への紹介


入院治療


手術


特に驚かれることが多いのが、

入院して検査や手術を受けても、治療費が請求されないという点です。


日本では、たとえ保険があっても高額療養費の心配をするケースがありますが、

NHSでは基本的にその概念がありません。


もちろん、すべてが完璧というわけではありません。

予約が取りづらい、待ち時間が長い、といった不満が出やすいのも事実です。


ただ、「お金の心配をせずに医療を受けられる」という安心感は、

ロンドンで生活する上で非常に大きな支えになります。


NHSを理解することは「保険に入る」のとは違う


NHSは、日本の民間医療保険のような「もしもの備え」とは少し違います。

どちらかというと、生活インフラの一部です。


使わなくても問題はない


でも、使う必要が出たときには欠かせない


この感覚を持っておくと、NHSとの向き合い方が楽になります。


次の章では、NHSを利用する前提として必ず出てくる

NI番号(National Insurance Number)とは何かについて、詳しく解説していきます。




🟦 第2章|NHSを使う前に必須:NI番号(National Insurance Number)とは?


イギリスで生活を始めると、かなり早い段階で耳にするのが NI番号(National Insurance Number) です。

ワーホリ・YMSで来た日本人にとっても、このNI番号は 「持っていて当たり前の基礎番号」 になります。


ただ、日本にはまったく同じ仕組みがないため、

「結局これは何のための番号なの?」

と分からないまま後回しにしてしまう人も少なくありません。


結論から言うと、NI番号はイギリスで生活・就労・公的サービスを利用するための土台です。


NI番号とは何か?


NI番号は、日本でいうと

マイナンバー+年金番号+税務番号

をまとめたような存在に近いと考えると分かりやすいです。


イギリスでは、個人を公的に識別・管理するために、このNI番号が使われます。


税金の管理


就労記録


社会保障


公的サービス


これらすべてが、NI番号と紐づいて管理されています。


何のために使うのか?


ワーホリ・YMSで来る人が、実際にNI番号を使う主な場面は次の通りです。


① 仕事をするため


イギリスで合法的に働くためには、NI番号が必須です。


雇用主は、

「この人が正しく税金を納める対象か」

を確認するために、NI番号を使います。


仕事が決まったあと、

「NI番号を教えてください」

と聞かれるのはごく一般的です。


② 給与・税金の管理


給与の支払い、所得税、National Insurance(社会保険的な税)などは、

すべてNI番号をベースに管理されます。


NI番号がないと、


給与処理がスムーズに進まない


税金の扱いが一時的に不安定になる


といったケースが出てくることもあります。


③ NHS・GP登録との関係


NHSそのものは、NI番号がなくても利用できる場合がありますが、

GP登録や各種公的手続きを進める上で、NI番号があると圧倒的にスムーズです。


特に、


書類の照合


個人情報の管理


といった場面で、NI番号が基準として使われることが多くなります。


④ 公的記録の管理


イギリスでは、「誰が」「いつ」「どのサービスを利用したか」という記録が、

NI番号を軸にまとめられています。


そのため、早めに取得しておくほど後が楽です。


NI番号は「すぐ使わなくても」早めに取るべき


中には、

「まだ仕事も決まっていないし、NI番号はいらないのでは?」

と感じる人もいます。


しかし、Living Hubとしては、

ロンドン到着後、できるだけ早い段階で申請することをおすすめしています。


理由はシンプルで、


申請から実際に番号が届くまで時間がかかる


必要になってから動くと遅い


からです。


使う予定が少し先でも、

「いつでも使える状態」にしておくことが、ロンドン生活を安定させるポイントになります。




🟦 第3章|NI番号の登録方法(ロンドン到着後すぐやること)


NI番号(National Insurance Number)は、「必要になってから動く」のではなく、ロンドンに到着したら早めに申請しておくべき手続きの一つです。

この章では、ワーホリ・YMSで来た日本人が実際にやることになる NI番号の登録手順を、できるだけ具体的に説明します。


ステップ①:オンラインで申請する


NI番号の申請は、基本的に オンライン で行います。


関連リンク:


電話予約や窓口に行く必要はなく、公式サイトのフォームから申請します。


申請時に入力する主な内容は以下のようなものです。


氏名(パスポート表記)


生年月日


現在のビザステータス


イギリスでの住所


連絡先(メールアドレスなど)


英語フォームではありますが、難解な表現は少なく、

落ち着いて入力すれば問題なく進められる内容です。


ここで一つポイントになるのが「住所」です。


住所がまだ決まっていない場合はどうする?


ロンドン到着直後は、


ホテル


仮住まい


友人宅


などに滞在している人も多いと思います。


NI番号の申請は、必ずしも長期の住所である必要はありません。

現時点で郵便物を受け取れる住所があれば申請可能です。


ただし、注意点もあります。


後日、NI番号が記載されたレターが郵送で届く


そのレターを確実に受け取れる住所であることが重要


短期滞在のホテルの場合は、


レセプションが郵便物を受け取ってくれるか


滞在期間中に届く可能性があるか


を事前に確認しておくと安心です。


「すぐに住所が変わりそう」という場合は、

無理に急がず、ある程度落ち着いてから申請するという判断もありです。


ステップ②:数日〜数週間後に届くもの


申請が完了すると、すぐに何かが届くわけではありません。

NI番号は、数日〜数週間後に郵送で通知されます。


届くものはシンプルで、


レター(紙1枚)


その中にあなたのNI番号が記載


という形です。


このレターは、非常に重要です。


写真を撮って保存


データとしても控えておく


紛失しないように管理


NI番号そのものは一度発行されると基本的に変わりませんが、

再発行の手続きは手間がかかるため、最初から大切に扱うことをおすすめします。


よくある不安①:仕事が決まっていなくても申請していい?


答えは YES です。


NI番号は、「仕事が決まってから申請するもの」ではありません。

将来働く可能性がある人は、事前に取得しておいて問題ありません。


実際、多くのワーホリ・YMSの人が、


仕事探しと並行して


もしくは仕事が決まる前に


NI番号を申請しています。


よくある不安②:申請が遅れるとどうなる?


申請が遅れても、違法になるわけではありません。

ただし、次のような不都合が出る可能性があります。


仕事が決まったのにNI番号がまだない


雇用主に説明が必要になる


給与処理が一時的に複雑になる


こうした状況を避けるためにも、

「使う前に取っておく」という意識が大切です。


NI番号は“安心材料”として持っておく


NI番号は、日常的に頻繁に使うものではありません。

それでも、持っているだけで手続きが一気に楽になる番号です。


仕事


医療


公的サービス


ロンドン生活の土台を支える存在として、

早めに整えておくことをおすすめします。




🟦 第4章|GPとは?イギリス医療の「入口」の役割


イギリスの医療制度を理解するうえで、NHSと並んで必ず押さえておくべき存在が

GP(General Practitioner) です。


GPは、日本語にすると「一般医」「家庭医」「かかりつけ医」に近い存在ですが、

日本の感覚で想像している“かかりつけ医”よりも、はるかに重要な役割を担っています。


GPはイギリス医療の「スタート地点」


イギリスでは、原則として すべての医療はGPから始まります。


体調が悪い


どこか痛い


不安な症状がある


こうした場合、まず相談するのがGPです。


日本のように、

「今日は内科、明日は整形外科」

「直接専門医に行く」

ということは、基本的にはできません。


GPが患者の状態を見て、


GPで対応できるか


検査が必要か


専門医に紹介すべきか


緊急対応が必要か


を判断します。


この仕組みを知らないと、

「病院に行ったのに診てもらえなかった」

「専門医に行きたいのに行けない」

と強いストレスを感じてしまいます。


GP登録していない=医療の入口がない状態


ロンドンに来たばかりの日本人が、意外と気づいていないのがこの点です。


GP登録をしていないと、日常的な医療の相談先がありません。


予約が取れない


相談先が分からない


緊急かどうか判断できない


という状態になりがちです。


もちろん、緊急時には A&E(救急) に直接行くことはできます。

しかし、軽度〜中程度の体調不良でA&Eに行くと、


長時間待たされる


「GPに行ってください」と言われる


というケースも少なくありません。



「体調が悪くて病院に行ったけど、結局どうすればいいか分からなかった」

という声が定期的に届きます。


その多くは、GP登録をしていなかったことが原因です。


GPは“頻繁に行く場所”ではない


ここで一つ、誤解を解いておきたい点があります。


GPは、日本のクリニックのように

「ちょっと喉が痛いから今日行こう」

という使い方を頻繁にする場所ではありません。


予約制が基本


すぐに診てもらえるとは限らない


そのため、

「登録しても、ほとんど行かないかもしれない」

と感じる人も多いです。


それでも、登録しておくことが重要なのは、


いざという時に相談先が明確になる


医療の流れが止まらない


パニックにならずに行動できる


からです。


GPは、「頻繁に使う場所」ではなく、

「必要なときに確実に使える状態にしておく場所」 と考えると、イメージしやすいかもしれません。


GPはNHSを使うためのハブ


NHSの医療サービスは、GPを中心に組み立てられています。


専門医の診察


検査


入院


手術


これらは、ほぼすべてGPの判断・紹介を経由します。


つまり、GPは単なる診察場所ではなく、

NHS全体につながるハブ(中継点)の役割を持っています。


この構造を理解しておくと、

「なぜGP登録がこれほど重要なのか」

が、腑に落ちてくるはずです。



🟦 第5章|GP登録はいつ・どこでするべきか?


GP登録の重要性は分かっても、次に多くの人が迷うのが

「いつ登録すればいいのか」「どこで登録すればいいのか」 という点です。


特にロンドン到着直後は、


住居がまだ決まっていない


エリアの土地勘がない


生活がバタバタしている


という状態になりやすく、GP登録を後回しにしてしまう人も少なくありません。


この章では、状況別にどう考えればいいかを整理します。


家がすでに決まっている場合


長期で住む住所がすでに決まっている場合は、

その住所を基準にGP登録を進めるのが基本です。


GPは原則として、

居住エリアごとに登録できる範囲が決まっています。


そのため、


住んでいるエリア


日常的に通える距離


この2点が非常に重要になります。


目安としては、


徒歩で行ける


もしくはバスで10分程度


このくらいの距離感であれば、現実的に通うことができます。


「近いから」という理由だけで適当に選ぶのではなく、

“通える範囲の中で、できるだけ条件の良いGP”

を探す意識が大切です。


家がまだ決まっていない場合


ロンドンに来たばかりで、


ホテル滞在


仮住まい


内見をしながら家探し中


という状態の人も多いと思います。


この場合、無理にGP登録を急ぐ必要はありません。


GP登録は、基本的に


長期で住む住所


日常的に通えるエリア


を前提に行うものだからです。


短期滞在の住所で登録してしまうと、


すぐに引っ越して登録し直す必要が出る


GPを変える手間が増える


といったことになりがちです。


Living Hubとしても、

「家が決まってからGP登録でOK」

というスタンスで案内することが多いです。


それでもGP登録を意識しておくべき理由


「じゃあ、しばらく何もしなくていいの?」

と思うかもしれませんが、そうではありません。


重要なのは、

“いつでも登録できる状態”を作っておくことです。


どのエリアに住みそうか


周辺にどんなGPがあるか


評判の良さそうなGPはどこか


これを事前に把握しておくだけでも、

実際に登録するときのスピードがまったく違います。


体調不良は、

「準備が整ってから」起きてくれるものではありません。


だからこそ、

焦らなくていいけれど、意識から消さない

このバランスが大切です。


GP登録は「早すぎても、遅すぎてもよくない」


GP登録について、よくある極端な例が2つあります。


到着直後、よく分からないまま適当に登録してしまう


何もせず、体調を崩してから慌てて探す


どちらも、後からストレスになりやすいパターンです。


おすすめなのは、


家探しと並行してGP候補を調べる


家が決まったら、落ち着いて登録する


この流れです。


GP登録は「今すぐ病院に行くため」ではなく、

「必要になったときに困らないための準備」 だと考えると、

タイミングの判断がしやすくなります。




🟦 第6章|GP選びで絶対にやるべきこと:Googleレビューを見る


GP登録で最も重要なのは、「早く登録すること」ではありません。

どのGPを選ぶかです。


これは日本の感覚だと、少し意外に感じるかもしれません。

日本では、病院やクリニックの質に極端な差が出ることはそこまで多くありませんし、「家から近いから」という理由で選んでも、大きな問題になることは少ないからです。


しかし、イギリスのGPは当たり外れの差が本当に大きいのが現実です。


イギリスのGPは「対応の質」に大きな差がある


Living Hubにも、これまでさまざまな相談が寄せられてきました。


電話が全然つながらない


予約を取ろうとしたら2週間待ちと言われた


症状をあまり聞いてもらえなかった


態度が冷たく、相談しづらい雰囲気だった


こうした話は、決して珍しいものではありません。


特に注意したいのが、慢性的に対応が悪いGPです。

こうしたGPは、個人の相性というレベルではなく、システム的に問題を抱えていることが多く、通い続けるほどストレスになります。


Googleレビューは「実態を知るための一番の材料」


そこで必ずやってほしいのが、Googleマップでのレビュー確認です。


GPは、ほぼ例外なくGoogleマップに掲載されており、

実際に利用した人のレビューが大量に書かれています。


見るべきポイントは、次の3つです。


① ★の数(評価点)


一つの目安として、

★1.5〜2.0台のGPは要注意です。


イギリスでは、GPに対して厳しい評価がつきやすい傾向はありますが、

それでも評価が極端に低い場合は、理由があります。


特に、


★1.7


★1.8


★2.0前後


で、なおかつレビュー数が多い場合は、

構造的に問題を抱えている可能性が高いと考えた方が無難です。


② レビュー数(母数)


評価点と同じくらい重要なのが、レビューの数です。


数十件しかない


評価が極端に割れている


こうした場合は、まだ判断材料が少ない可能性もあります。


一方で、


数百件のレビューがある


それで評価が低い


という場合は、

かなり多くの人が同じ不満を感じていると見ていいでしょう。


③ レビュー内容(具体的な不満)


★の数だけで判断せず、レビューの中身も必ず目を通してください。


特にチェックしたいのは、


予約の取りづらさ


電話・受付対応


医師やスタッフの態度


緊急時の対応


同じ内容の不満が繰り返し書かれている場合、そのGPの傾向をかなり正確に反映しています。


距離の考え方:「近さ」より「現実的に通えるか」


GP選びでは、距離も重要ですが、考え方を少し調整する必要があります。


目安としては、


徒歩で行ける


もしくはバスで10分程度


この範囲であれば、十分に現実的です。


一方で、


電車に乗らないと行けない


片道30分以上かかる


といった距離は、体調が悪いときにはかなり負担になります。


「家から一番近いGP」ではなく、

「無理なく通える範囲で、一番マシなGP」

を選ぶ、という発想が大切です。


「完璧なGP」は存在しない


最後に一つ、大切な前提があります。


正直なところ、

「ここは完璧」と言えるGPはほとんどありません。


それでも、


明らかに評判が悪いGPを避ける


ストレスが少なそうなGPを選ぶ


これだけで、後の安心感は大きく変わります。


GP選びは、ロンドン生活における

“保険のような意思決定” です。




🟦 第7章|GP登録の具体的な手順


ここまでで、


GPがどれだけ重要か


どんなGPを選ぶべきか


は見えてきたと思います。

この章では、実際にGPをどうやって登録するのかを、できるだけ具体的な流れで解説します。


一つ一つの作業は難しくありません。

流れを知っていれば、落ち着いて進めることができます。


ステップ①:Google MapsでGPを探す


まずは、Google Mapsを使って、自分が住んでいる(もしくは住む予定の)エリア周辺のGPを探します。


検索ワードはシンプルで問題ありません。


“GP”


“Medical Centre”


“Doctors Surgery”


などで検索すると、周辺のGPが一覧で表示されます。


ここでは、

「一番近いGP」を即決しない

ことが重要です。


ステップ②:Googleレビューを確認する


前章で解説した通り、レビュー確認は必須です。


★の数


レビュー数


内容


をざっとでもいいので必ずチェックします。


この段階で、


評価が極端に低い


明らかに不満が集中している


GPは、候補から外していきます。


ステップ③:新規患者の受付をしているか確認する


GPは、常に新規患者を受け付けているとは限りません。


Google Mapsや公式サイトを見ると、


“Accepting new patients”


“Register as a new patient”


といった表記があるかどうかが分かります。


ここが非常に重要で、

評判が良くても、新規受付を止めているGPも多いのが実情です。


受付をしていない場合は、

無理に連絡する必要はなく、別のGPを探しましょう。


ステップ④:GP公式サイトから登録フォームに進む


新規患者を受け付けているGPが見つかったら、

公式サイトにアクセスします。


ほとんどのGPでは、


“Register”


“New patient registration”


といったページが用意されています。


登録は、


オンラインフォーム


もしくはPDFフォーム


で行うケースが一般的です。


ステップ⑤:登録フォームに必要事項を入力する


フォームで求められる内容は、GPによって多少違いますが、一般的には次のような項目です。


氏名


生年月日


現住所


連絡先


ビザステータス


NHS番号(※持っていれば)


NI番号(※持っていれば)


ここで重要なのは、

NI番号やNHS番号を持っていなくても、登録できるケースが多い

という点です。


「番号がないから登録できない」ということは、ほとんどありません。


住所証明(Proof of Address)は必須?


GP登録について、よく聞かれるのが

「住所証明は必要なのか?」 という点です。


結論としては、


GPによって対応が異なる


厳密な書類を求められないことも多い


というのが実情です。


賃貸契約書


カウンシルタックスレター


銀行からのレター


などを求められることもありますが、

「今は持っていない」と正直に伝えれば、柔軟に対応してくれるGPも多いです。


返信までの目安と、その後の流れ


登録フォームを送信すると、

数日〜1週間程度で返信が来るケースが一般的です。


返信内容としては、


登録完了のお知らせ


NHS番号の案内


GP利用方法の説明


などが届きます。


これで、

「いざという時に相談できるGP」が確保された状態になります。


GP登録は「一度やれば終わり」


GP登録は、


面倒そう


英語が不安


と感じやすい手続きですが、

一度やってしまえば、しばらく触る必要はありません。


だからこそ、

家が決まって生活が少し落ち着いたタイミングで、

落ち着いて進めるのがおすすめです。




🟦 第8章|NHSの使い方|体調不良〜緊急時まで


GP登録まで終わると、次に気になるのが

「実際に体調が悪くなったら、どう動けばいいのか?」

という点だと思います。


この章では、ロンドンで生活している中で起こりやすいケースを想定しながら、

NHSの現実的な使い方を整理していきます。


事前に流れを知っておくだけで、体調不良時の不安はかなり減ります。


軽い体調不良の場合|まずはGPに連絡する


発熱、喉の痛み、腹痛、頭痛など、

緊急性が高くない体調不良の場合は、まずGPに連絡します。


GPの利用方法は、主に以下のいずれかです。


電話で予約


オンラインフォームから相談


GPアプリ経由での問い合わせ


多くのGPでは、

「まずは電話 or オンライン相談 → 必要であれば来院」

という流れになっています。


ここで知っておいてほしいのは、

「当日すぐ診てもらえるとは限らない」 という点です。


GPは予約制が基本で、


数日後


場合によっては1〜2週間後


の予約になることもあります。


日本の感覚だと不安になりますが、

NHSではこれは珍しいことではありません。


それでもGPに連絡する意味


「そんなに待つなら意味がないのでは?」

と思うかもしれませんが、GPに連絡すること自体に意味があります。


症状を記録として残せる


悪化した場合の判断材料になる


緊急性が高いと判断されれば、対応が早まる


特にオンライン相談では、

症状次第で 「すぐ来てください」 と言われるケースもあります。


夜間・週末の場合はどうする?


GPが閉まっている夜間や週末に体調が悪くなった場合でも、

いきなりA&Eに行く必要はありません。


その場合は、


NHS 111(電話 or オンライン)


を利用します。


参考リンク:



NHS 111では、


症状をヒアリング


緊急度を判断


行くべき場所を案内


してくれます。


「GPを待つべきか」

「Urgent Care Centreに行くべきか」

「A&Eに行くべきか」


を整理してくれる、判断の窓口のような存在です。


緊急時|A&E(救急)に行く


次のようなケースでは、迷わずA&E(Accident & Emergency) に行きます。


強い痛み


大きな怪我


呼吸が苦しい


意識障害


明らかに様子がおかしい


A&Eは、イギリスの救急外来にあたります。

予約は不要で、直接行ってOKです。


A&Eでは、


受付


トリアージ(緊急度の判断)


診察・検査


という流れになります。


A&E後の流れ


A&Eに行ったからといって、

必ずそのまま治療が完結するとは限りません。


ケースによっては、


応急処置のみ


検査後に帰宅


GPに戻るよう指示される


専門医に紹介される


そのまま入院


など、対応はさまざまです。


重要なのは、

A&EがNHS医療の一部としてGPと連動している

という点です。


「どこに行けばいいか」が分かっている安心感


ロンドンで体調を崩すと、

言葉や制度の違いもあり、不安が一気に大きくなります。


しかし、


軽症 → GP


夜間・判断に迷う → NHS 111


緊急 → A&E


この整理が頭に入っていれば、

パニックにならず、冷静に行動できます。


NHSは、「使い慣れる」制度ではありません。

「使い方を知っておく」制度です。




🟦 第9章|NHSは本当に無料?よくある誤解


イギリスの医療制度について調べていると、

「NHSは無料らしい」

という情報を目にする一方で、

「でも外国人は違うのでは?」

「後から高額請求されるのでは?」

といった不安を感じる人も少なくありません。


この章では、NHSに関して特に誤解されやすいポイントを、ロンドンでワーホリ・YMSをする日本人向けに整理します。


誤解①:外国人はNHSを使うと高額請求される?


これは、基本的には誤解です。


YMSビザを含む中長期ビザでイギリスに滞在している人は、

ビザ申請時に Immigration Health Surcharge(IHS) を支払っています。


このIHSを支払っていることで、


GP診察


検査


専門医紹介


入院


手術


といった NHSの医療サービスを、原則無料で利用できます。


つまり、

「外国人だから医療費が全額自己負担になる」

ということは、通常ありません。


誤解②:入院や手術はさすがにお金がかかる?


これも、多くの人が驚くポイントですが、

NHSでは入院や手術も基本的に無料です。


検査をして、そのまま入院、手術、リハビリまで進んだとしても、

医療費そのものが請求されることはありません。


日本のように、


入院日数


手術内容


高額療養費制度


といった計算を気にする必要はなく、

「医療費の心配をしなくていい」 という点は、NHS最大の特徴の一つです。


誤解③:薬代もすべて無料?


ここは、少し注意が必要なポイントです。


NHSでは、


診察


検査


治療


は無料ですが、処方薬には一部自己負担があります。


イングランドでは、

処方薬1種類につき 定額(Prescription charge) が設定されています。


ただし、


金額は高額ではない


処方の量に関係なく定額


という仕組みです。


また、


スコットランド


ウェールズ


北アイルランド


では、処方薬も無料です。


誤解④:歯科・眼科もNHSで無料?


これもよくある誤解の一つです。


歯科(Dentist)や眼科(Optician)は、

NHSとは別枠扱いになることが多く、


一部自己負担


もしくは私費


になるケースが一般的です。


特に歯科は、


NHS対応の歯科が少ない


予約が取りづらい


という現実もあります。


そのため、


日本で最低限の歯科チェックを済ませておく


眼鏡・コンタクトを準備しておく


といった準備をしてから渡英する人も多いです。


誤解⑤:留学生・ワーホリはNHSを使えない?


これも誤解です。


YMSや学生ビザなど、

一定期間以上滞在するビザ保持者であれば、NHSを利用できます。


条件は、


有効なビザを持っていること


IHSを支払っていること


この2点です。


「無料=何でも気軽に使える」ではない


最後に大切な前提として、

NHSは「無料」ですが、「何でもすぐ使える」わけではありません。


予約待ちがある


GP経由が原則


緊急度によって対応が変わる


こうした特徴があります。


それでも、

「医療費の不安がない」 という安心感は、

ロンドン生活において非常に大きな意味を持ちます。



🟦 第10章|ロンドン生活でNHSを知っていると何が違うか


ここまで、NHS・NI番号・GP登録について詳しく見てきました。

この章では少し視点を変えて、「NHSを知っている状態」と「知らない状態」で、ロンドン生活がどう変わるのかを整理してみます。


結論から言うと、その差は想像以上に大きいです。


不安の量が圧倒的に減る


ロンドンで生活していると、体調の不安は常につきまといます。


環境の変化


慣れない食事


気候


ストレス


こうした要因が重なり、

「ちょっと体調がおかしいかも」

と感じる場面は、誰にでも起こります。


NHSの仕組みを知らないと、


病院はどこに行けばいい?


いくらかかる?


英語で説明できる?


と、症状以外の不安が一気に増えます。


一方で、

GP登録を済ませ、NHSの流れを理解している人は、

「まずはGPに連絡すればいい」

「緊急ならA&Eに行けばいい」

と、行動がシンプルになります。


不安の正体が分かっているだけで、精神的な負担は大きく減ります。


体調不良時にパニックにならない


体調が悪いとき、人は冷静な判断がしづらくなります。


どこに連絡すればいいか分からない


間違った場所に行ってしまう


無駄に待たされる


こうした状況が重なると、

体調以上に精神的に消耗してしまいます。


NHSの使い方を知っていれば、


軽症 → GP


判断に迷う → NHS 111


緊急 → A&E


という判断軸が、頭の中にあります。


これは、「正解を知っている」というより、「迷わなくていい状態」を作るという意味で、とても大きな違いです。


「医療費どうしよう」という恐怖が消える


海外生活で多くの人が無意識に抱えているのが、

医療費に対する恐怖です。


入院したらいくらかかるんだろう


手術になったらどうしよう


保険でカバーされるのか


こうした不安があると、

本来なら病院に行くべきタイミングでも、我慢してしまうことがあります。


NHSについて正しく理解していると、


治療費は原則無料


入院や手術もカバーされる


という前提があるため、

「お金の心配で行動を遅らせる」ことがなくなります。


これは、健康面だけでなく、精神面でも非常に大きな安心材料です。


NHSは「使うための知識」ではなく「安心の土台」


ここまで読んで、

「でも、実際にはあまり使わないかもしれない」

と感じている人もいると思います。


それで問題ありません。


NHSは、

頻繁に使うための制度ではなく、

必要なときに“確実に使える”ことが大切な制度です。


登録しておく


流れを知っておく


それだけで、ロンドン生活の安心度は大きく変わります。




🟦 まとめ|NHS・NI・GPは「保険」ではなく「インフラ」


ここまで、イギリスのNHS、NI番号、GP登録について詳しく見てきました。

情報量が多く感じたかもしれませんが、伝えたかったことはとてもシンプルです。


NHS・NI番号・GP登録は、「特別な手続き」ではなく、

ロンドン生活を成り立たせるための“インフラ” だということです。


日本では、医療は「困ったら行く場所」という感覚が強いかもしれません。

一方、イギリスでは、


GPに登録しているか


NHSの流れを理解しているか


によって、「困ったときに動けるかどうか」が決まります。


重要なのは、次の3点です。


NI番号は、生活と就労の土台になる番号


GP登録は、NHSを使うための入口


NHSは、知っていれば安心、知らなければ不安が膨らむ制度


これらは、

「使わなければ意味がないもの」ではありません。


登録しておく=使わなくてもOK

でも、必要になった瞬間に一気に重要になる


それが、NHS・NI・GPの共通点です。


ロンドン生活では、

体調不良はもちろん、怪我や予期せぬトラブルが起きることもあります。

そのときに、


どこに行けばいいか分からない


いくらかかるか分からない


何から始めればいいか分からない


という状態だと、症状以上に消耗してしまいます。


逆に、

「GPに連絡すればいい」

「夜ならNHS 111」

「緊急ならA&E」


この整理が頭に入っているだけで、

行動は驚くほどシンプルになります。


NHSは、使い慣れるための制度ではありません。

“知っているだけで安心できる制度” です。


この記事が、ロンドンでの生活を少しでも落ち着いてスタートするための土台になれば幸いです。


🟩 ロンドン初期生活を“詰まない”ために


Living Hubは、ロンドンでワーキングホリデー・留学をする日本人向けに、

初期生活でつまずきやすいポイントを減らすサポートを行っています。


NHSやGPのように、

「後から困りやすいけど、事前に知っておけば防げること」

は、ロンドン生活にはたくさんあります。


特に多い相談が、次のようなものです。


ロンドンでの住居探しが不安


契約内容がよく分からない


トラブルを避けたい


初期費用の全体像を知りたい


Living Hubでは、


日本人向けのロンドン住居探しサポート


初期生活に必要な実務的ガイド


実際によくあるトラブルの回避ポイント


を通して、「来てから詰む」をできるだけ減らすことを大切にしています。


これからロンドンに来る方、

すでに渡英していて不安を感じている方は、

以下の記事もあわせて参考にしてみてください。


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ロンドン賃貸の初期費用はいくらかかる?完全解説

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